イジワル先生とわたし








SHRが始まった。

出席を取るときに改めて名前を呼ばれたけれど、どうにもわたしの体はユキヤせんせーの声が苦手?らしく挙動不審になってしまう。

返事するにしたって声が裏返るほど。



話を聞くところによると、この人は担任の先生で。しかも数学担当らしい。


なんてことだ。

わたしは数学が1番苦手なのです。




「じゃあ、今日はこれで終わりだ。寄り道しないで真っ直ぐ家に帰るんだぞー。」




ユキヤせんせーが告げると、タイミングを合わせたかのようにチャイムが鳴る。

ぼんやりとしていたせいか、あっという間のSHRだった。先生の自己紹介もまともに聞いてない。

まぁでもショートなHRだから短くて当たり前なんだけど。


やっと解放される……。





「楓。」

「な、なるちゃん〜。」

「どうしたの?」



そんな泣きそうな顔して。

と、なるちゃんは少し心配そうな表情でわたしを見つめた。


なるちゃんのそんな顔もお美しい。

そして心配してくれるなんて…。

持つべきものはやっぱり友だった!!!