………この人。
さっき、なるちゃんは。
「(桜井 雪弥せんせーと言ってたっけ。)」
離れた場所からでもかっこいいと分かるくらいなのに、こんな近くでみたらかっこよすぎてどうになってしまいそうだ。
スラリと長い手足に、それと伴って180cmくらいはありそうな高身長。
少し切れ長の黒い瞳に。
男の人にしては柔らかそうな黒髪。
そしてーーーーー
「もう居眠りするなよ。夏野。」
小さく鼓膜を震わす、入学式のときに聞いた低くて優しい声。
どうしよう。
何もかもかっこよすぎて本当に溶けちゃいそうだ。
「返事は?」
「…っあ、はい。」
わたしの返事に満足したのか、ユキヤせんせーは小さく笑みを浮かべた。
心臓がドキドキうるさい。
一体なんなんだこれは。
