イジワル先生とわたし






けっこーどうでもいいことなので、スルー。

入学式ってとても暇だ。

前の人の髪の毛でも数えることにしよう。あ、白髪見つけちゃった。なんか気まずい。



空気は読めても、やっぱりバカな自分だった。


そんな時だった。




「今年から2年生の数学科を担当する、桜井雪哉です。よろしくお願いします。」




とんでもないイケメンボイスである。

なんてかっこいい声なの…!

クラスメイトの白髪なんて、すぐ頭の隅に追いやってわたしは俯いていた顔をあげた。




「「……………。」」



ばちり、と音が聞こえそうなくらい目があった。とんでもないイケメンボイスの持ち主と。


声ばかりでなく、顔面偏差値もかなり高い。


秒速で思考を巡らしているとき、その新任の先生はふわりと桜でも舞うような笑顔を向けて、舞台から降りていった。



どきん、小さく胸が鳴った気がする。



……ん?なんだこれ??