教室に戻るだけなのになんだか気が重い。
モヤモヤとする気持ちから、逃げだしたい。
ここから、逃げだしたい。
一回考えだすと、その思考は止まらなかった。
ついに我慢が出来なくなって秋の手を軽く引っ張ったのは、
あと三歩も歩けば教室に着く、という時だった。
振り返った秋が不思議そうな顔で首をかしげる。
「ごめん、喉渇いちゃったから飲み物買ってくるね?」
手をそっと放して秋の顔も見ずに歩き出す。
小さく私の方に伸ばされた秋の手が見えた気がして。
その手に気づかない振りをして、足早に廊下を歩いた。
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