「あんたが悪いんでしょ。 ため息ばっかり吐いて」 ギロッと睨まれ、何も言えない。 だって、春ですよ! あの、花粉症の季節ですよ! 本当は声に出したい反論を呑み込んだ。 そんな時、フッと頭の中をよぎる記憶。 まだ私と舞里しかいない朝の教室で、 昨日のことの様に浮かぶ。 あの日はいつまでも私を追いかける。 私に、逃げる術なんてないのに。