驚いてガバッと体を起こすと、


苦笑いをしている男の子と目が合った。




「あー、ごめん。なんか驚かしちゃったみたいで」





「あ、いや大丈夫です。




…それより、もしかしてここまで運んでくださったんですか?」







「うん、屋上で倒れてたからね」







やっぱりか。






どおりで記憶が無いわけだ。








「わざわざ、ありがとうございました」






とりあえずにこりと笑顔を貼り付けてお礼を言えば、





「あー、うん」




はっきりしない返事が返ってくる。






なんなのこの人。






さっきから、苦笑いしかしてないし。







…面倒臭いな。