キミの隣で恋をおしえて〈コミック版:恋をするならキミ以外〉



普段なら絶対に近付かない。

それでも、今日のあたしはひと味違った。怒りというものは、人を何倍でも強くしてくれる。


「あ、安堂くん…!」


昨日と同じく、耳から黒い紐を垂らしていた安堂くんは、突然目の前に立ちはだかったあたしに興味なさげに視線を向けた。


「…なに?」

「ちょ、ちょっといいかな!?」


クラスメートたちが怪訝そうに見ているのも無視して、安堂くんを呼び出した。