オートロックのドアが開いて、だだっ広いエントランスを抜けて、馬鹿でかいエレベーターも2機あって、そのうちの左に乗った。

安堂家のある12階のフロアを目指す。

エレベーターに乗っている間にメールが着ていた。


[玄関、開いてる]

「……………、」


それ程辛いのか?

それとも待ち切れないでいたのか?

そんなことを巡らせながら、言われた部屋番号の前に立っていた。


(……よし!)


「こんにちは~…?」


ガチャリ、と必要以上に大きな音を立てて、これまた大きな玄関の扉を開けた。

そこで目にした光景は。

廊下に一体の、死体。


「あんどぅーーーーーー!!!」


気が付けば、お腹の底から声を張り上げていた。

片手には黒い携帯が。

あたしの悲鳴に気が付いて、安堂くんが微かに揺れる。


「…………………、……餓死。」


彼氏にしたい男No.1の、彫刻みたいなお人形みたいな美少年の、最期の言葉は、…コレだった。