安堂くんみたいな元カノを好きな人に恋するなんて有り得ないんだ!


「………よし。」


一人ガッツポーズを決めていると連続してメールが届いた。


[もう風邪治った?]


安堂くんだ。


[お蔭さまで。安堂くんは大丈夫?]


………いや。

これは決して、キスのせいで染つったか、という意味ではない!断じてない!

その説明を加えようかと思ったが、やめといた。

何だか物凄い長文になりそうだったし、それを読んだ安堂くんが鼻で笑いそうだ。

『風邪をもらう』なんて、慌てふためくあたしを見るための口車に過ぎなかったはずだ。

ピロリン、と携帯が鳴って画面を見る。

安堂くんだ。


[頭の上で3匹の妖精がコサックダンスを踊ってる]


「なにぃーーーっ!!」


メールを見て、あたしは目を見開いた。