結局、学年会が終わるまで、職員室の前で担任の景山先生を待つ羽目になった。

もちろんこっぴどく怒られた。

日頃の生活がたるんどるからだー!って典型的な説教を受けて、クスンと鼻を鳴らした。

トボトボと、教室に鞄を取りに帰る。

校内はもうどっぷりと暗闇だ。


(こ、こ、怖い…!!!!)


怒られている時は、感じなかった。

真っ直ぐ伸びる廊下の先が見えないくらい、闇に浸っている。

呑み込まれてしまったら、帰って来られなくなるような、恐怖。

はわはわと腰を抜かしそうになりながら、どうにかして教室にたどり着いた。


(電気、電気…っ)


壁を伝って歩いて、電気スイッチを探す。

その瞬間、教室の中で青白い光が点った。


「ひ、ひ、ひぃぃぃいいぃいぃぃ…!!!!」


出た、出た、出たぁ…!!


「お化けぇぇぇぇ………!!!!」

「なんているわけないじゃん。バカ?」


パチ、と電気がついて、あたしの目は豆になる。

逃げようとしていたあたしの首根っこを安堂くんが掴んでいた。

さっきの光は、携帯の光だったらしい。


「え…、あれ…!? 安堂くん…!? ………何で?」


印刷室で安堂くんとは別れた。

怖いから一緒に待ってと言ったのに、安堂くんは寒いからヤダ。と言って、先に帰ったはずだった。

なのに、なんで…。