―――昔、聞いたことがあった。


好きな人のことを想いながら、舞い散る桜の花びらを地面に落とすことなく掴めたら、
その恋は叶うって。

触れた、キス。

その間に挟まれた、1枚の、桜の花びら。

お互いに、瞳は閉じていたから、それに気付くことはなかったけど、

だけど二人は知っている。

二人の恋は叶うって。

叶い続けるって。

その腕にそっと抱きしめられた。

桜の季節が巡るたびに、思い出そうね。

この時誓ったこの想い。

この時感じたこの想い。

いつまでも淡いピンク色。

あなたを想ってやまない恋色は、いつもちょっとだけ優しい色。


寂しがりやなあなたと。

恋したがりだったあたし。


いつまでも不器用に、一生懸命に、恋していようね。

想い合って、いようね。




恋をするならキミ以外 - 完 -