「あ、そだ。チェリーちゃんが使ってる参考書、俺も欲しいんだけど、どこで買ったか教えてくれない?今日」

「いいけど。…今日?」

「一緒買いに行こ!今日」


桜田くんがにこりと笑う。

あたしが寂しくないようにって、いつも気遣い。

参考書なんて本当は必要ないくせに。


「…必要あるの?」

「がり勉ってのは俺の通り名よ!」


呆れたため息で返事に変えた。

それでもニシシと笑っている。

その笑顔を見てると、小さなことなんてバカバカしくなる。


切ない気持ちも、空の青に溶けていく。