ご飯が食べられなくなっても、眠れなくなっても。
夜が来て、朝が来る。
時間が過ぎて、日が巡る。
――恋の傷心は、新しい恋でしか癒すことはできないという――
それは、間違いだった。
新しい恋以外にも、癒せるものがある。
新しい恋よりも、確実に。
その傷を塞ぐことができる。
それは、傷つけたその恋自身。
傷つけたその人自身。
傷痕を知るその人なら、
それを知らないどの人よりも、確実にその傷を埋められる。
結局は、それが答えだったんだ。
じゃああたしの傷は?
あたしの傷は誰に癒すことができるの?
傷つけたその人は、もう傍にはいないんだよ。
あたしは、どうすればいいの?
あれからあっという間に夏休みが終わり、あたしはどうにか学校には出て来れた。
「知枝里~!久しぶり~…!
あ。あんたも勉強痩せ?あたし、ダイエットのせいか夏バテしちゃってさ~…」
真っ青な顔をしたナッチが、ついて早々、机の上に倒れ伏した。
「彼氏も出来なかったし。知枝里はどうだった?初えっち、した?」
ぐったりしたままナッチが言う。
あたしはそれに、作り笑いを浮かべることも出来なかった。
「………っ」
「え?ちょ、どうしたの!? 知枝里!?」
泣きだしてしまったあたしに、ナッチが大きく目を見開いた。

