市販のヘアカラーを買って、家で毛染め式が行われた。
久々に見る、黒髪の自分。
「よしっ!これで2学期から学校に行けるね!」
「別に行かなくてもいーんだけど…」
「だめだよ!佐久良くん、もとは頭いーんだから、社会のために貢献しなきゃ!」
「……いちいち言うことでかいよね。社会にコーケンするために学校行くなんて初めて聞いたよ」
「それに!煙草も没収するし、お酒だって…!」
「じゃ、女は?」
こう聞くと、絵梨の頬が赤く染まる。
「そ、それもダメ!!」
「…俺だって健全な中学生なのに。突然するな、なんて無理じゃない?絵梨が相手になってくれるの?」
それと同時に、また平手打ち。
「ってぇぇ…!」
「と、年上をからかうのはやめなさい!てか、絵梨、じゃなくて、先生、だって何度も言ってるでしょ!?」
全身の毛を逆立てて怒っている。
気づいてねーな。
そういう顔が見たくてわざと冗談言ってるってこと。
俺は絵梨の背中越しに、小さく笑った。

