――――しかし。
「佐久良くん!? いるんでしょ!? 今日こそこのドアを開けなさーい!!」
「…………、」
翌朝。
再びあの女がやってきた。
もう絶対来ないと思ったのに、さっそく次の日に。
この女の神経、どうなってんだよ。
ドンドンと叩かれるドアも無視して、タオルケットにくるまった。
……暑い。
リモコンを触って、クーラーを入れた。
「開けなさいってばー!!」
「…………、」
ウザい。
マジでウザい、この女。
「……あ、開いてる」
「!!」
うっかりしていた。
もうこの女が来ることはないと思っていたので、鍵なんかかけてなかった。
女はもちろん、入ってくる。
「今日こそは勉強してもらうんだからね!!!」
入ってきて早々、耳元で大声で、叫ばれた。
「うるさい…」
「あっ!煙草!佐久良くん、まだ中学生でしょ!? 髪の色も凄い色だし、ピアスだって開けてるし、……あーっ!!」
「……っ」
「お酒も飲んでる…!」
頭の中がガンガンした。
頭を押さえて、ベッドにうずくまっていると、再び。
「寝煙草だけは絶対にやめなさい!!」
説教だ。
マジで、ウザい。
「…カンケーないじゃん。アンタには」
「アンタ、じゃなくて、美坂絵梨!一応家庭教師として来てるんだから、先生って呼びなさいよ!」
「…ヤダよ。俺、認めてねーもん」
「それに!あたしは一応年上なんです!敬語で話しなさい!社会のルールでしょ!?」
いちいち、叫ばないと喋れないらしい。
俺はそっぽを向いて、煙草に火をつけた。
その瞬間、手から煙草を奪われた。

