それから少しして―――。
はしゃいでいた声もかき消すほどの大きな震音が響いた。
びりびりと体を、心を、揺さぶる音。
二人、わいわい言いながら食べていた手が止まる。
視線は二人、同じ場所へ――。
空高く舞い上がる、光の花。
安堂くんの顔に、柔らかな光が降り注ぐ。
その横顔を見ると、胸の奥がキュンとした。
…キュンとしてばかり。
どうしてこんなにも、この人のことが好きなんだろうって胸が問いかけるような、そんな切ない想いが巡る。
それから二人、言葉を発することも忘れて、その光の花びらたちを見つめていた。
ふいに触れ合った指先が、しっかりと絡み合った。
きっと忘れない。
光へと投影した。
あたしの想いの花。
きっと胸の中で、こんな風に咲いているんだと思う。
好き、好き、って。
胸を締め付ける痛さは、この輝きを放つため。
きっと、そうだ。
花火が終わった後も、二人、その場から動けなかった。
あたしが動けなかった理由は、ただただ、その輝きに感動していたから。
やっぱり全然違うよ。
みんなには悪いけど、好きな人と見る花火は全然違う。
「きれー!」とか「すごーい!」とか、そういう言葉じゃ全然表現できなくなる。
ちょっとだけ洟をすすって、ふいに顔を上げた時、
ちょん、と唇が触れた。
それに驚いて、視線をあげると安堂くんの顔が目の前にあった。
「キレーだったね」
…やっぱり訂正。
この言葉が、一番しっくり合うよね!

