今、あたしはなんて言おうとした?
言ってはならないことを、言おうとしなかった?
笑っていた安堂くんも、小さく動きを止めた。
「何で付き合ってるのか分かんない、って?」
「――――っ」
言葉の先は全て伝わっていた。
安堂くんの声が、さっきとは比べモノにならないくらい冷たくて、あたしは顔を上げられなかった。
でも。
だって……。
「……だって…」
あたしは、好きなんだもん。
安堂くんのことが好きなんだもん。
だからもっと、近くで触れ合いたいよ。
もっと、安堂くんのこと、知りたいよ。
謝りたくないよ。
それがあたしの気持ちだよ。
あたしはもっと、安堂くんに近づきたいんだよ。
「じゃぁ――、」
「………っ」
ふいに、肩を押されて体勢を崩した。
「そーゆーことしたいんなら、いつでもするよ?小林のこと、好きにしてもいいんなら」
その言葉に、胸がキュゥっとなった。
好きに、なんて。
安堂くんに言われるだけで、胸が締め付けられる。
ゆらゆらと揺らめく瞳を、安堂くんに向けた。
―――――でも。
そこには、想像もしていなかった安堂くんの顔。
安堂くんの瞳が、怒っている。
「安ど……、――っ」
口を開く前に、唇ごと塞がれた。
ソファーに押し付けられて、手首を掴まれていた。
その力が、強くて。
キスは、全然知らないキスで。
絡む舌、前とは全然違う。
荒々しくて、息もできないくらい。
手首を掴んでいた手が片方だけ離れ、その手が膨らみに触れた。
「………っっ」
だけど、塞がれた唇では声も出せなくて。
触れられて、嬉しいはずなのに、その感触にびっくりした。
唇が離れて。
首筋へと落ちていく。
でも、そのキスは今までのキスとは全然違った。
ただ、触れている。
それだけ、みたいで―――。
「安堂くん…っ!?」
「やっぱりやめたい、なんて今更なしだよ?言い出したの、小林なんだから」
「――――――っ…」

