「………花柄」

「…へ?」

「――パンツ。花柄」

「!!!」


慌ててスカートの裾を押さえた。

この男は、この男は…ひょうひょうと…!


(虫も殺せぬ顔をしてぇぇ…!!)


先生と付き合ってたんだもんなぁ!!

想像するなという方が無理だ。

高校生にしてこの落ち着き、この魅力。

フェロモンの出し方だって、きっと先生に教わったに違いない。

あたしは真っ赤になった顔で、はためくスカートを必死になって押さえていた。


「女子ってさ、スカート短すぎだよね。見てって言ってるようなもんだし」

「あ、安堂くんそんなとこ見てるの!?」

「見たくなくても視界に入るの。もう少し長い方が清楚で可愛いと思うけど」

「か、わいい!? 可愛い!? 安堂くん、そんなこと思うの!?」


…何かが、暴走している。


「え、なに、どうしたの…」

「相手が、例え好きな子じゃなくてもパンツ見ちゃうの!? 男ってそういうもんなの!?」

「え、ちょ…?」

「相手が例え、好きな子じゃなくても…っ、きっ、キ、キスとかも、やっぱり出来ちゃうものなの…!?」


気が付けば、安堂くんの胸倉を掴んで、あたしはそんなことを……叫んでいた。