バイトは始められたは良かったものの、何をプレゼントするかを決めていなかった。
分かりきった事実だが、経験がない。
雑誌とか見ていても、ピンと来ないし、第一安堂くんってあんまり雑誌に当てはまらない人だし。
ご飯を食べ終わってから、ナッチと二人で知恵を出し合っていた。
「どーしよぉ~…!何が嬉しいんだろ?何だったら喜んでくれるんだろ!?」
「知枝里からのプレゼントなら何だって嬉しーんじゃないの?」
「でも…!」
あんまりダサいのはあげられないし、どうせならいつも身につけて居られるものがいいし。
てなるとアクセサリー系?
指輪?
ペンダント?
……あ!
ピア…
「ピアスだな」
ナッチに提案しようとした瞬間、上から声が落ちてきた。
「…ゲッ!」
その姿を見上げて、ナッチが顔を歪めた。
それは、今日は金色の髪を編みこんでいた桜田くんだった。
4時間目から行方不明の。
「カレシにあげるんならさ、やっぱピアスっしょー?いつも貴方の耳元で愛を囁いているわ(はーと)なんつって!」
ヘラッと笑う桜田くんに、ナッチはケッという顔をする。
(いつも貴方の耳元で愛を囁いているわ……?)
でもあたしはその言葉に感銘を受けた。
(………素敵だ!)
それに安堂くんがつけてるピアスは鈍くくすんでしまっていた。
「確かに彼も付けてるけどさー…、どうするのー?知枝里~」
ナッチは不服そうにあたしを見た。
「のった!あたし、その話にのった!」
プレゼントはピアスに決定した。
うーんとカッコイイのをプレゼントする!
安堂くんは片方しか開けてないから、片方のピアスはあたしのお守りにする!
ペアのものを二人で分ける。
なんて素敵なアイデアなんだ!

