何だか安堂くんが、凄く遠い。
昼休みに会えなければ、あたし達は全然一緒に居られない。
廊下で喋るわけにも行かないし、一緒に帰ることも出来ない。
(女子の目が怖くて…)
だから昼休みが唯一の時間で、とにかく大切。
だから明日からは絶対に、絶対にお弁当作るぞ~~~~~…っ!!!
「それよりもさ」
拳を握るあたしに、ナッチが言う。
「あたし的に、アイツと同じバイトってのがすんごく気になるんだけど」
「アイツ、って…。ああ、桜田くん?べつに、フツーにいい人だよ。確かに自己紹介は…驚いたけど、バイトでは結構助けてくれるし」
「だから、気になるのよ!」
ずいっと人差し指を立てて、あたしの鼻の前に近付ける。
あたしは目が寄った。
「あたし絶対に許さないからね!」
「へ……」
「安堂くんを悲しませるようなことしたら、ぜっっっったいに許さないんだから!」
その気迫に押されながら、ナッチと向き合う。
「そんなこと絶対しないもん!ぜっっっったいにしないよ!」
「絶対だからね」
「約束する!」
力を入れて訴えた。
絶対絶対そんなことない。
安堂くんを悲しませたりしない。
誓った後に、隣の席をちらりと見た。
桜田くんは4時間目から居なかった。
サボり…なのか?
机の横、くったりしたリュックは置き去りのままだ。

