次の日。
桜田くんの言葉の意味を理解する。
「いだだだだだだ…っ」
体が、痛い。
馴れない着ぐるみのせいで首から肩から、そして長時間立っていたせいで足が筋肉痛になっていた。
「知枝里~!今日はお弁当いらないの~?」
一階からお母さんの声が聞こえてきて、ハッとする。
時計を見ると、既に7時半。
これでは学校にすら間に合わないかもしれない。
「し、しまったぁ!!!!」
焦るのは気ばかりで、自由のきかない体は、痛みに悲鳴をあげていた。
「いたたたたたたっ…!」
3年生最初のお弁当は、気合いを入れた豪華版にする予定だった。
髪の毛もツヤツヤに、唇も程よくうるるんと、キメて屋上に行くつもりだった。
…なのに。
「……ほーんと3年になってから、ツイてないわね。でもま、そうよね。安堂くんと付き合えてるんだもの全ての運を使いきったわよね」
「………………、」
今日は教室でナッチとご飯。
悲しいのは、この状況だけじゃない。
お弁当が作れなかったと、安堂くんにメールをした。
そしたら一言、
[分かった]
とだけ返事が来た。
お弁当はなくても、購買のパンでもいいから、一緒に食べられないものかと頑張った。
[あの…、あたし購買でパンとか買って屋上行こうか…?]
[無理しなくていーよ。今日は教室で食べるから]

