なんて軽い喋り方。
なのに核心をついてくる。
「当たりかぁ~!小林って分かりやすー!」
頬が染まったらしいあたしを見て、桜田くんは豪快に笑った。
内容は、着ぐるみを着て、街中でポケットティッシュを配るバイトだった。
その着ぐるみの頭がかなり重い。
しかも中はかなり暑い。
(く、くるしい…!)
それに動きにくいし、前は見にくいし、人込みの中、歩いてくる人にぶつからないように立っていることに必死だった。
そして世間の冷たさを痛感する。
(誰も受け取ってくれない…っ)
翻弄されるまま、1日目のバイトは終わった。
こんな姿だけは絶対絶対安堂くんに見られたくない…。
「ごくろーさんっ!な?けっこー辛いだろ?」
桜田くんはひょうひょうと、あたしに飲み物を渡してくれた。
「ありがと…。ホント、死ぬかと思った…」
「辛いのは明日からだぜ?」
「え?」
「じゃ、気をつけて帰れよー!また明日~!」
桜田くんは爽やかに、手を振って帰って行った。

