さっそく、その日の午後から始まることになった。
「うち、二人一組で動いててねー。君のペアの子も同い年くらいだし、テキトーに仲良くやってね。はい、これ。これが君の分ね」
おじさんはあたしにあるものを渡すと、そのまま居なくなった。
「…………、」
それを見つめて、呆然とする。
(確かにこれだと顔はバレないけれどもぉ~~~~!!!)
腕の中にあるパンダの顔と、冷や汗交じりに向き合った。
すると。
「チーッス」
ペアであるらしい人が、てれてれとズボンを引きずって歩いてきた。
「あ、君がペアの人?」
「は、はい…っ!!! 今日から入りました、小林知枝里ですっ!よろしくお願いしますっ」
勢いよく頭を下げると、目の前の人のズボンが視界に入った。
それは見慣れた、うちの高校の制服だった。
(………………え?)
「コバヤシ…?」
慌てて顔を上げると、なんと、そこには…!
「桜田くん!?」
「小林ぃ~!」
感動の再会かというように、桜田くんは両手を広げて近付いてきた。
「なんだ奇遇じゃん!お前もこのバイトかよー!けっこーかったりぃぜー?務まるのかよー」
金色の髪を揺らして、豪快に笑う。
体格のいいこの人がかったるいとなると、あたしはどうなるんだろう。
「そ、そんなにこのバイトってキツいんです…か?」
「キツイキツイ!終わった後は汗だくだしなー?女の子がするバイトじゃないべ?小林は何でまた?」
突然聞かれて、面食らった。
「えっ!?」
「あ、カレシ?カレシの誕プレとかいう~?」

