「では、自己紹介を」
みんながゴクリと生唾を飲んだ。
彼の、形のいい唇がゆっくりと開かれる。
そして―――。
バッと右手を上げ、大声を張り上げた。
「桜だ!嵐だ!」
―――!?
「…の、桜田嵐(さくらだあらし)でっす! 夜露死苦~~っ!!!」
みんな突然のことにポカンとした。
もちろんあたしもポカンとした。
だって、全然……。
だって全然、そんな風に見えない。
黙っていればカッコイイのに、……残念すぎる。
「……こほんっ。みんな、拍手は!」
景山先生の咳払いに、あたし達はハッとして、まばらに拍手した。
きっと一番前の席で、ナッチが石化したに違いない。
「桜田の席は、小林!小林の隣だ」
「えっ!!!」
名前を呼ばれてびっくりした。
確かに隣に机が増えていたけど。
「桜田のさ~と、小林のこ~ねっ! ヨロシク~!」
桜田くんは豪快に笑い、親指を立てた。
見た目と中身が違いすぎる転入生が、隣の席に、なった。
(絶対ついてないよぉぉ~~~~!!!!)

