『有野さんてね!胸、Eカップもあるんだって!』


(背中から寄せて上げてるって言ってたけど)


最近ではお弁当を食べ終わった後も、安堂くんは本を読んだりしながら、屋上で時間を潰していた。

普段なら顔も上げない安堂くんがこの時ばかりは違った。

ふと顔をあげ、あたしを見つめる。


(お、おっ!? 天下の安堂もやっぱりただの男だったのか!?)


期待に満ちた瞳で安堂くんの反応を待った。


『………小林よりも3つも大きいね』


それだけ言うと再び本を読み始めた。

……1、2、3…。






「そんであたしは“何で分かったのよー”って安堂くんの胸倉をつか………、」


そこまで話して、殺気を感じた。


「こ~~ば~~や~~し~~さぁぁぁぁんんん????」

「………………っ」


怒りで毛を逆立てた妖怪が目の前に立っていた。


「ぎゃぁーーー…!!!!」

「この女!この女!この女ァ!!!」

「か、顔だけはぁ~~~~!!!」

「ムカつく!ムカつく!ムカつくぅぅぅ!!!」


…いたいけな小羊が、妖怪嫉妬魔人のいけにえになった。