「あ、あたしの…!」
「そう。これ、小林さんのよね」
その言葉が冷たくて、びっくりして顔を上げた。
見ず知らずの人が、あたしのお守りを持っていて、しかもそれがあたしの物だと知っていて、そして…。
何故か怖い顔をして、こちらを見ている。
「あなた、安堂くんとどういう関係なの?」
真正面からフルスイング。
全くもって予想外な人から、予想外なことを、聞かれてしまった。
ただそれだけで焦って、身振り手振り大袈裟に体を動かして言い訳していた。
どんな関係でもなくて、ほんとにただのクラスメートで、クラスでもほとんど喋らなくて…付き合ってもないし、特別仲がいいわけでもないし、好きでもないし!
あーだこーだと息を切らして、ふと気付いた。
「な、なんであたしと安堂くんの関係…?」
そうだ。あたし達、クラス以外の関わりは、誰にも知られていないはずだ。
すると彼女がにこりと笑った。
「バレンタインの日、あたし、見ちゃったの」
彼女はお守りを口元に寄せて、強気に微笑んだ。
「ば、バレンタイン…」
「その他にも、もっと色んなことも知ってるし」
「い、色んなこと…!?」
あまりに心当たりが多すぎて、冷や汗が噴き出す。
「い、いったい何が、……な、何か目的があるんでしょうか…!?」
ぐるんぐるんに目を回しながら、彼女に聞いた。

