「お守り、成就しなかったんなら探さなくてもいーんじゃない?もしかしたらお守りも役目を終えたっていなくなったのかも…。あ、チャイム。じゃまたね!川鍋のことは怒らないでね!」
「………………、」
嵐のように去っていった安川くんを、あたしはポカンと見つめた。
お守りが、役目を終えた…?
安川くんの言葉は信じたくなかったけど、お守りは見つからなかった。
安堂くんにフラれた、と話してしまったことで、なべっちからの安川コールをどう断っていいか分からないでいた。
この前のケンカ(?)の事情を話すわけにはいかないし、相手があの安堂くんだからもう一度頑張るなんて建設的なこととは言われないだろうし。
(…どうしよう…)
安川くんからのアプローチは日に日に、勢力を増していた。
廊下に出れば、どこから現れるのか、絶対1回は名前を呼ばれる。
声を掛けられる。
だから、他人にほとんど興味を示さない安堂くんにまで、
『小林の周り、最近騒がしいね』
と、冷たい目で言われた。
そろそろ噂になりそうで、何か打つ手はないかとあたしは内心焦っていた。
「小林さん」
休み時間、机と対話していると、廊下から声を掛けられた。
知らない女の子だ。
言われるまま、その子について行くと、校舎の裏にたどり着いた。
こんなところで何だろう。
その子を盗み見すると、その子が手を差し出した。
「これ」
「あっ!!!」
手の平に、あたしが探し続けていたピンクのお守りが乗せられていた。

