「しらばっくれても無駄だよ。可愛くないし」
「か、可愛くないって関係ないでしょ!?」
「昨日の顔も不細工だったよ」
「や、やっぱり見てたんじゃない!!!」
「やっぱり見てたんだろ」
「――!」
自爆させられて、言葉を失う。
あたしはパクパクと、金魚のように口を動かした。
「で?それで俺を脅そうって?」
そうだ、あたしの方が強い立場にあるんだった!
別れたとはいえ教師と生徒の恋愛なんて禁断中の禁断だ。
それにフラれてるわけだし?
ただそれだけでも、カッコイイと噂されてる安堂くんにはとてつもない汚点なわけだし!?
あたしは気を取り直して、腰に手を当てた。
偉そうに踏ん反り返って、安堂くんと向き合った。
「そうよ!あたしは安堂くんを脅せる立場にあるのよ!」
「……へぇ?俺を脅すんだ?」
目元が光った気がして、あたしは一瞬ビクッとした。
でも、こうなってしまった以上、取り下げることなんてできない。
「そう、脅すのよ…!」

