「違うに決まってるでしょっ!? なんであたしが安堂くんに告白なんて…!!」
「呼び出してくる人ってみんなそうだから」
「み!? みんな…!?」
「うん、みんな」
安堂くんがモテるってのは周知の事実だが、リアルに聞くとやっぱり驚く。
つい安堂くんのペースに巻き込まれてしまいそうになり、あたしは再び頭を振った。
「そうじゃなくて、昨日のことよっ!」
大きく腕を伸ばして、人差し指で安堂くんの顔を指差した。
今まで脱力気味だった安堂くんの顔色が変わる。
「――は?」
「昨日のこと!身に覚えがあるでしょう!?」
首ねっこを掴んだ心地がした。
昨日のこと、一言謝ってもらわないと気が済まない。
安堂くんが気付いてくれれば、あたしは警察のお世話になることなく、親や先生に怒られることなく、学校中の人から「おバカ」呼ばわりされることなく、彼氏が出来たはずなのに!
そう思うとグッと指先まで力が漲る。

