まりあ「ただいま〜」


学校から帰ると、
自宅ではなくて
2階の処置室に入る。


というより、
ここで体温を計って
熱がない事を確認しないと、
家の鍵をもらえない決まりになっている。




処置室では、だいたい毎日
看護師の田中美咲さんが
待っていてくれる。


美咲「お帰り!学校楽しかった?」




まりあ「まあまあ」


美咲「はい、体温計」


音が鳴るまで、
ちゃんと計っているか
美咲さんに見られている。


前に あたしがズルした事が
あるからなんだけど。



ピーッ ピーッ ピーッ


美咲「37.2」



まりあ「えーっっ」


美咲「外来に電話入れるね。
蒼介先生と友先生
どっちがいいとかある?」



まりあ「ないよ、っていうかぁ
どっちもイヤなんだけど」



美咲「じゃあ、早く診察してもらえる方
に頼もうね」



美咲「もしもし、処置室田中です。
まりあちゃん37.2の発熱です。
……はい。採血と採尿ですね?
分かりました。」



検査するの????? 終わってる↘︎



美咲「蒼介先生が
採血と採尿の検査をしたら、
小児科の診察室の前で
待ってて下さいって」


まりあ「うそ〜」


美咲「うそじゃないのよ。
はい、おしっこ取ってきてね」


採尿カップに、美咲さんが
ピンクのうさぎさんの絵を
書いてくれてる。


まりあのマークなんだって。





まりあ「お腹すいたよ〜。
まりあのおやつは?
ねぇ、おやつ!おやつ!」