恩田「愛梨ちゃんは保護室に入れる!」



愛梨『ばーか、あたしの方が
こんな子よりかわいいもん。
あたしの方が恵叶に愛されてるもん!』



恩田「愛梨ちゃん、もうおうちに帰りなよ。
何度も何度も同じような問題ばっかり
起こして、
その度に反省してるって言うから
許してきたけど、
僕はもう愛梨ちゃんを信用できない。
こんな風に何度も裏切られて」



愛梨『なんでそんなこと言うの?
あたしはここで毎日恵叶といたい。
そばにいて顔がみたい。
声が聞きたい』



恩田「愛梨ちゃんの治療は
外来でも十分できる
いつでも退院できる」



愛梨『どうしてこんなに好きなのに
離れなくちゃならないの?
遠距離恋愛になっちゃう』



恩田「僕と愛梨ちゃんは
付き合ってないでしょ?
はい、立って」


愛梨『保護室はイヤ』



恩田「保護室じゃないと
愛梨ちゃん自身の安全が守れない」



愛梨『あそこはイヤ』



恩田「他の患者さんに暴力を振るう、
病棟スタッフに暴言を吐く、
無断で病棟から出ていく、
病棟の備品を壊す
その度に保護室に入れられてるんだよ
僕はこれ以上愛梨ちゃんをかばえない」



愛梨『そんなこと言わないで。
いつもみたく優しくして』



恩田「こんなことしてても
愛梨ちゃんのためにならない
保護室でこれからやりたいこととか
考えてごらん
やりたいこととが見つかったら
僕も精一杯応援するから」



愛梨『あたしのこと途中で見捨るなら、
どうして最初から優しくなんかしたのよ
恩田先生ずるい』



恩田「愛梨ちゃんは、病院の外で
本物の恋をするべきだよ
もう、結論は出てる
これから先も僕は外来で待ってるし
これから先もずっと何があっても助けるつもりでいる
絶対に見捨てない
捨てられるとしたら……僕の方だよ」




愛梨『あたしは恩田先生の気まぐれな優しさがずるいっていってるの!』


恩田「はい、立って。保護室いこう」