そんな変てこな少女と遺憾ながら出会ってしまった翌日、一晩寝て起きてしまえば昨日の出来事などオブラードに包まれた苦薬のようにぼんやりしてしまうってもんで、いつも通りの田舎道を麻衣と歩き、教室の戸を開けると、
「あんた昨日何やってたのよ」
巫場がそこに立っていた。
「よう、巫部。いい天気だな」
仁王立ちで待ち構えている巫部に片手で挨拶をかまし、通りすぎようとすると、
「ちょっと待ちなさい」
後ろから俺の肩をつかまれてしまった。くそう、スルーはできなかったか。
「放課後は探索だって言ってあるでしょ。それをサボるなんて、いい度胸してるわね。どんなおしおきが必要かしら?」
「いやいや、昨日は用事があって帰らざるを得なかったんだ。断じて故意ではない」
「本当でしょうね?」
「本当だって。ホントに何にもないぞ」
「わかったわ。そこまで言うなら信じてあげようじゃないの」
何故、上から目線で言われているのか訳がわからない。
「まあいいわ、じゃあ、明後日から捜索を再開するわよ」
「明後日?」
「そう、残念なことに私にはちょっとした用事があるのよね。遺憾ながらこちらを優先させなくちゃならないの。でも、明後日からはちゃんと探すわよ。いい? 三日後にはもう一つの世界を見つけてあげるから覚悟しておきなさい!」
人差し指をビシっと俺に突きつけると踵を返し自席へと戻っていった。
しかし、本当に厄介な事になったもんだ。これが俺の属性なのか? 厄介な事に巻き込まれ属性ってか? そんなもんは願い下げだ。俺は普通の学校生活で良いのだからな。キャラ的にはモブで十分なんだけどなあ。そんな溜息交じりの愚痴は春の穏やかな空気の中に霧散していった。
さて、放課後。今日は巫部の呪縛はないらしい。こりゃ早々に帰って録り溜めたアニメでもみようかねえと昇降口を抜け、駅へと続く田んぼ道を一人歩いていると、
「あっ、あのう……」
「ん?」
弱々しい声が聞こえ何気に振り向くと、そこには、ショートカットの女生徒が一人佇んでいた。
「あっ、あのう、そのう……」
女生徒は少し落ち着きのない様子で、視線を左右に向けている。
「どうかしました?」
普段、あまり麻衣以外の女の子から声を掛けられることの無い俺だが、こういう時は紳士的にってのが鉄板の対応だよな。
とりあえず、急かしてはいけないと女生徒の出方を伺うと、
「あの! 私は天笠美羽といいます! けっ、けっ、携番電話の番号を教えてもらえませんか?」
いきなりの逆ナン。マジで?
「私、初めて見たときからお友達になりたいって思ってました。それで、もしよければ番号……教えてもらえませんか?」
少し顔を朱に染めた女生徒は上目がに俺を見上げるが、とうとう俺にも春が来たか!
「ダメ……ですか?」
「いやいや、全然だめじゃないよ。いきなりだったから少し驚いただけだ」
涙目になるのは反則だろ。しかも、よくよく見ると結構な美少女じゃないか。こんな状況で断るやつなんざいないっつうの。俺は携帯を取り出すと、手早く番号を交換した。しかし、高校入学早々に麻衣以外の女子と連絡先を交換できるなんて幸先いい学校生活だな!
交換を終えると、女生徒は「ありがとうございます」と最高の笑顔で嬉しそうに携帯を胸に抱え学校へと戻っていったのだが、俺はというと、飛び跳ねたい気持ちを抑え、あくまでクールに振舞おうと全身に指令を出すが、その顔はきっと今まで無いくらににやけていたんだろうな。
女生徒の姿が校門に消え、早速携帯を確認すると、どうやら彼女に名前は天笠美羽あまがさ みうというらしい。顔と同じで可愛らしいなまえだな。と再びニヤケ顔全開になっていると、メールの着信。
「先ほどは突然すみませんでした。私、あなたにとっても興味があります。ですから、これからよろしくお願いします」
可愛らしい絵文字も添えられており、俺の学校生活はバラ色だぜ! と思わずガッツポーズしてしまった。なんて返せばいいか、その場で三十分粘ってしまったのは言うまでもないだろ。
「あんた昨日何やってたのよ」
巫場がそこに立っていた。
「よう、巫部。いい天気だな」
仁王立ちで待ち構えている巫部に片手で挨拶をかまし、通りすぎようとすると、
「ちょっと待ちなさい」
後ろから俺の肩をつかまれてしまった。くそう、スルーはできなかったか。
「放課後は探索だって言ってあるでしょ。それをサボるなんて、いい度胸してるわね。どんなおしおきが必要かしら?」
「いやいや、昨日は用事があって帰らざるを得なかったんだ。断じて故意ではない」
「本当でしょうね?」
「本当だって。ホントに何にもないぞ」
「わかったわ。そこまで言うなら信じてあげようじゃないの」
何故、上から目線で言われているのか訳がわからない。
「まあいいわ、じゃあ、明後日から捜索を再開するわよ」
「明後日?」
「そう、残念なことに私にはちょっとした用事があるのよね。遺憾ながらこちらを優先させなくちゃならないの。でも、明後日からはちゃんと探すわよ。いい? 三日後にはもう一つの世界を見つけてあげるから覚悟しておきなさい!」
人差し指をビシっと俺に突きつけると踵を返し自席へと戻っていった。
しかし、本当に厄介な事になったもんだ。これが俺の属性なのか? 厄介な事に巻き込まれ属性ってか? そんなもんは願い下げだ。俺は普通の学校生活で良いのだからな。キャラ的にはモブで十分なんだけどなあ。そんな溜息交じりの愚痴は春の穏やかな空気の中に霧散していった。
さて、放課後。今日は巫部の呪縛はないらしい。こりゃ早々に帰って録り溜めたアニメでもみようかねえと昇降口を抜け、駅へと続く田んぼ道を一人歩いていると、
「あっ、あのう……」
「ん?」
弱々しい声が聞こえ何気に振り向くと、そこには、ショートカットの女生徒が一人佇んでいた。
「あっ、あのう、そのう……」
女生徒は少し落ち着きのない様子で、視線を左右に向けている。
「どうかしました?」
普段、あまり麻衣以外の女の子から声を掛けられることの無い俺だが、こういう時は紳士的にってのが鉄板の対応だよな。
とりあえず、急かしてはいけないと女生徒の出方を伺うと、
「あの! 私は天笠美羽といいます! けっ、けっ、携番電話の番号を教えてもらえませんか?」
いきなりの逆ナン。マジで?
「私、初めて見たときからお友達になりたいって思ってました。それで、もしよければ番号……教えてもらえませんか?」
少し顔を朱に染めた女生徒は上目がに俺を見上げるが、とうとう俺にも春が来たか!
「ダメ……ですか?」
「いやいや、全然だめじゃないよ。いきなりだったから少し驚いただけだ」
涙目になるのは反則だろ。しかも、よくよく見ると結構な美少女じゃないか。こんな状況で断るやつなんざいないっつうの。俺は携帯を取り出すと、手早く番号を交換した。しかし、高校入学早々に麻衣以外の女子と連絡先を交換できるなんて幸先いい学校生活だな!
交換を終えると、女生徒は「ありがとうございます」と最高の笑顔で嬉しそうに携帯を胸に抱え学校へと戻っていったのだが、俺はというと、飛び跳ねたい気持ちを抑え、あくまでクールに振舞おうと全身に指令を出すが、その顔はきっと今まで無いくらににやけていたんだろうな。
女生徒の姿が校門に消え、早速携帯を確認すると、どうやら彼女に名前は天笠美羽あまがさ みうというらしい。顔と同じで可愛らしいなまえだな。と再びニヤケ顔全開になっていると、メールの着信。
「先ほどは突然すみませんでした。私、あなたにとっても興味があります。ですから、これからよろしくお願いします」
可愛らしい絵文字も添えられており、俺の学校生活はバラ色だぜ! と思わずガッツポーズしてしまった。なんて返せばいいか、その場で三十分粘ってしまったのは言うまでもないだろ。

