「ちょっと、離してっ…」
強く腕を引きながら訴えた先で、拓真の視線とぶつかる。
愛しい人の目の色は甘くて深いチョコレートの色。そこにいつもの不機嫌さは微塵も見えない。
力を抜いた私に、拓真はニコリと笑って、さっきクッキーと一緒に食べた指にチュッと口づけた。
「大事にするから。」
私を選んでくれた拓真の誓い。
嬉しさと気恥ずかしさに、また顔が熱くなる。
「これからは、詩月じゃなくて華月の隣を歩くし、詩月よりも華月のワガママが聞きたい。でも、3人が幼馴染みなのは変わらないからな?」
私は拓真の目を見て、大きく頷いた。
それを見て拓真はグイッと顔を近づけ、コツンとおでこを合わせる。
「だから、さ…」
近すぎる距離に心臓が跳ねる。
「来年は、華月がオレに作ってくれる?チョコレート。」
う…正直、料理は得意ではない。
けど…。
「が、頑張りマス?」
目を逸らしぎみにそう言うと、拓真はククッと笑ってキスをした。
初めてのキスは、拓真が作ってくれたチョコレートの味。
不機嫌を隠さない幼馴染みは、私のことが好きだそうです。
私も、負けないくらい、彼のことが、好き、です。
【おわり】

