不機嫌な幼馴染みが好きなのは・・・


暫しの沈黙。拓真はこちらを見ていないけれど、なんだか私も恥ずかしくて、俯く。

「あー、えっと…拓真…」

「…ぁ?」

頭を抱えたままの拓真の声は小さい。
拓真の方を見ることはできないけど、そっと手を伸ばしてパーカーの裾をキュッと摘まんで引いてみる。

「どした?」

少し顔を上げた拓真がこちらを見ている。
…気がする。

「あ、あのね…」

って、私、何を言おうとしてる?
胸が苦しいくらい、ドキドキする。
口が勝手に動き出す。

「…私と、恋愛、してくれる?」

わー!私、何言ってるの!?
顔が熱い。
ギュッと握りしめた左手が震える。

私の右手をパーカーから外して、そのまま包み込む拓真の左手。
動いた拓真が再び私を抱き締めて、頭の上から言った。

「だから、オレは最初からそのつもり。」

その声は今までで一番優しくて、嬉しそうな声で。
押し付けられた拓真の胸は、私と同じくらいドキドキしていた。