「はっ?いや、拓真は、詩月が好きなんでしょう?」
拓真の告白を喜ぶよりも、私は慌てて拓真の体を押し返して聞いた。
多少体は離れたものの、完全に離れる気はない様子の拓真は思い切り眉間にしわを寄せている。
「バカ言うな。オレはずっと華月一筋だ。」
「だっ、だって、拓真はいつも詩月の隣で、詩月と一緒にいたじゃない?」
「あれは、詩月じゃなくて、オマエのため。」
「意味わかんない。」
意味わかんない。どうしたら詩月の隣にいることが、私のためになるというのだろう?全然わかんない。
「んー。だって、華月は放っておくと一人で頑張りすぎるだろう?だから、オマエが詩月の世話をしなくていいように、オレが…。」
いつの間にか私から離れた手が、顔の横の髪を遊んでいる。しなくてもいいはずの種明かしを仕方なくしている、と言わんばかりの投げやりな説明をしながら。
「そんなの、頼んでないし、わかんない!」
私は思わずその手を振り払って、大きな声を上げた。
「オレが勝手にやってたことだ。まぁ、詩月はわかってたけどな。」
拓真はさほど驚いた様子もなく、穏やかに続ける。
恋愛に興味もなかった。拓真への気持ちだって、ついさっき自覚した私だ。そんな私と詩月を比べられても…
「私は詩月じゃないっ!」
「当たり前だろう?オレがいつオマエたちを間違えたよ?」
「そんな話じゃなくて…」
「だーかーらぁ、鈍い華月に気付かれるほどに見え透いたアピール出来るほど、図々しくはないんだよ、オレは。だいたい、そんなのみっともないだろうが…オマエがオレのことなんとも思ってないのに告って、ふられたら幼馴染み続けられねぇじゃん。華月の近くにいられなくなるのが一番イヤだったんだよ…って、こんなことを説明している今のオレが最高にダサいわっ!」
拓真はプイッと私から顔を背け、両手で頭を抱えた。

