不機嫌な幼馴染みが好きなのは・・・


何も言わない拓真の視線をビシビシと感じながら、やっとの思いで目の前の食事を片付け。
3人分の空き容器も片付け。
そろりそろりと逃げるように部屋へ戻ろうとしたのだけど…

「華月、どこ行くんだよ?」

やっぱり捕まってしまって、リビングのソファに並んで座らされている。

さっきとは逆の右側に座る拓真は、いつの間にかエプロンを脱いでパーカーを羽織っている。
片膝を立て、そこに肘をついてこちらを見ている。
というか、視線を感じるけれど、当然私はそちらを見られず、正面を向いて目を泳がせている状態。

「……華月、こっち向け。」

「無理。」

ぼそりと、でもきっぱり言って、目を伏せる。

「なぁ、それって、オレのこと意識してるから?」

拓真は姿勢を変えることなく、言葉を続ける。

「す、するでしょう!?さっきはあんなこと…だし、最近、拓真の態度、変だった、しっ」

顔を拓真と反対へ向け答えながら、最近の妙に優しい拓真を思い出して胸がドキドキする。思わずワンピースを膝の上でギュッと握りしめる。

「そっか。オレ、変だったか。」

フッと拓真が笑った気がした。見ていないから、気のせいかもしれないけど。

「華月、オレのこと、嫌いか?」

「嫌い、じゃない。」

「じゃあ、オレのこと、好き?」

拓真は一体、なんの話をしているんだろう?
だいたい、拓真が好きなのは詩月だろうし。
私にそんなことを聞いて、どうすると言うんだ…

(はーちゃん、自分に素直になるんだよ?)

どうして、詩月の言葉を思い出したんだろう…?