不機嫌な幼馴染みが好きなのは・・・


突然笑った詩月が、「ごちそうさま」と箸を置いて席を立つ。

「よし、私、ちょっと出掛けるけど、たっくん、くれぐれもはーちゃんを泣かさないでね?っていうか、いつまでいるの?」

詩月の笑いながらもトゲだらけの言葉に拓真も笑って舌打ちする。

「詩月は?いつ帰ってくる?」

「夕方までには。」

「それまでは、いる。」

「はいはい。」

2人にしか分からない秘密の会話のよう。
いつもなら気にならない2人の会話が、今日はやけに胸の奥をモヤモヤさせる。

歩きかけた詩月が私の横で足を止め、耳元に口を寄せて囁いた。

「はーちゃん、自分に素直になるんだよ?」

「え?」

何のことを言っているのか分からず振り返れば、目を合わせてニコリと笑って出て行く詩月。
首を傾げながら向き直ると、横には私を見つめる拓真。

あ。
詩月が出掛けるってことは。

私と拓真、2人きりって、こと?