仲直り完了。

プリンシューを食べ終えたはーちゃんは、クラスの友達から電話が入り、そのまま部屋に戻っていった。

「・・・たっくんってさ、ヘタレだよね。」

姉妹のごたごたに付き合わせたことを棚に上げて、ドアを見つめ続けているたっくんを呆れたように見た。
はーちゃんが出ていったドア。
見つめているだけじゃはーちゃんは帰ってきませんよ?

「うるさいよ・・・付き合ってやったのに。」

「そのお礼はもうしたでしょ?」

空になったお皿を指させば、たっくんは視線をドアからお皿に移して、息をのんだ。

「・・・っ!ん?はっ?えー・・・何の話だよ…?」

はい、確定。
私の予想は今をもって確信になりました。

たっくんは、はーちゃんが、好き。

「今更慌てないでよ。たっくんが幼稚園のときからはーちゃん一筋なのはよく知ってるし?」

私の言葉にたっくんは黒目だけを僅かに泳がせて、カップのお茶を一口飲むと「ごちそーさん」と立ち上がった。
まだ座ったままの私は、やたら大きいたっくんを見上げてその表情を確認。うん、別に怒っている訳ではないらしい。
でもでも。慌てるたっくんは久しぶりだ。はーちゃんが髪を切ったとき以来じゃないかな?

「それ、華月には言うなよ。」

私から目をそらしたままそれだけ言うと、たっくんはリビングを出て、玄関を出ていった。

さてさて、たっくんはどう動くのかな。
それより、はーちゃんをどうにかしてあげないとかなぁ。