――そう、すべてはここから、はじまったんだ。 言いようもないあんな苦しくて悲しくてつらい思いなんて、しなかったんだ。 運命。 その存在が、今は憎くて仕方がない。 私から、すべてを奪っていった。 変えられるのならば、この日。 もう一度だけ、最初からやり直したいと思う。 そんな願い、叶う筈もなく。 次にお父さんの話をきくまで私は何も考えずにただ前を歩いて行ったのだった。