チラッと父さんに視線を向ければ、新聞を読んでいたはずの視線とぶつかる。



「っ、……母さん、年頃なんだから瀬那の気持ちも尊重してやれよ?」


俺の気持ちが伝わったらしく、父さんは唯一 俺の味方をしてくれて、

助かった…かのように見えたのも束の間。


「でも、実は父さんも…気になってたんだ。連れてきたらどうだ?瀬那…」



「「「はい、決まりー!!!」」」



父さんの次の言葉は俺の耳を疑う内容で、やっぱりこの家に俺の気持ちが分かるやつ…もしくは分かろうとするやつは誰1人として存在しかいことを思い知らされた。



「嘘だろ……。」



誘えない。
無理だ、ありえない。