バイト初日。


制服は思ったより可愛くて

スカートっていうのが嫌な子のために
ショートパンツのタイプも置いてあって

あたしはショートパンツのほうにした。

ミニネクタイも付いていて

ほんとうに可愛い。


仕事の仕方を教えてもらうと

すごく量が多かった。

何がって...仕事の量!


あたしはウェイトレスをするんだけど

注文取りはもちろん

会計に、受付

あと、暇になった時に厨房に入ってお皿洗い。


そんなことまで...!!?

でも、量が多いってことはやりがいもある訳で

と、そんないい子ちゃんの振りをして

1時間。


やけに、男性のお客が多いな

と思ったら


あ、そっか!

ここ女子しかいないもんね!


て、そうだったぁぁぁあぁ!


男性のスタッフがいないだけで

女子目当ての客はめっちゃくるじゃん!


そういえば店長も言ってたな...


『まぁ、たまにセクハラまがいなことしてくる人もいるから...気をつけてね?』


ごめんなさい。そんなこと聞いてませんでした。
その時多分、バイト代のこととかそんなことを考えてた気がします。

はい。


ごめんなさい。



「森崎さん!三番テーブルに持ってって!ミートスパとカルボ!」


「あ、はい!」



三番テーブルは若い男性。

ひとりは黒髪のクール系

もうひとりは茶髪のチャラ男系。

どっちも苦手タイプ。


さっさと置いて戻ろー


と思っていたのに


「ねぇ?君可愛いよね。新人?初々しいね?これ、はい。俺のメアド。特別にあげる」



は?

なんでお前のメアドをもらわなきゃいけないの?

なにが悲しくてこんなものを?


「すみません。仕事中ですので。結構です。」


「え?わぁ。初めてだな。断る子。気に入ったよ。」


はい?

なに上から目線で喋ってんですか?

殴りますよ?

殴り倒しますよ?


「はぁ...ではご注文の方、こちらで宜しかったでしょうか?」

「うん。あ、あと、君を注文したいな☆」




...久しぶりにナルシストきたぁぁぁぁぁ!!

あの先生以来あっていなかった

ナルシストおぉおぉおお!?



「すみません。商品ではないので。では。しつれいしました。」

「まって。ごめんね。こいつがへんなこといって。気にしないで。」


「いえ。」


クール系男子はまだましだけど

この男も遊び人の香りがする...

小説とアニメ、マンガを読みすぎたあたしの今は当たる!

多分!


「じゃあね?」


「はい」


笑顔を見せずにもどると


「あ!!良かったー...無事だった?」


と店長と同年代のバイトの子に言われた。


「無事...?なにかありましたか?」


「もう!森崎さんのことよ!ほらあの3番テーブル!あの2人組は常連客で、イケメンだから、店の子を落とそうとしてきて困ってるの。でも良かったわ。森崎さんは引っかからなくて」


ほらぁぁぁああ!!

あたしの感はするどいな!


「そうなんですか。でも、あたし彼氏いますし。あの2人には興味も全くありませんから。」


ニコッと笑うと

「そうね。安心したわ。」


店長とバイトの子もニコッと笑ってくれた。



ひとまず初日は疲れました。

森崎由樹。

作文が出来上がりました。