こんなこと...引き受けるんじゃなかった...
あのとき...美縁に頼まれたことは
なんと、先生の尾行でした。
『あのね!もし、ほんとにデキてるなら、そのデキてる先生が悪いと思うの!だって、香恵ちゃんが浮気なんかするわけないもん!なにか弱みをにぎられてるんだよ!てことで!先生を尾行して、香恵ちゃんが何かをおどされてるか調べて!』
って言ってたらから...まぁ。
あたしも気になるからいいんだけどさぁ...
あ、先生が...トイレに...
...ここまでか。
あたしが尾行している先生は
新川幸音
まだ学校に来て2、3年の先生。
理科の先生で、優しくてイケメンって人気の先生。
あたしは嫌いだけど。
あの先生、いちいちしゃべり方がイラつくんだよね...
『はぁい、みなさん、静かに☆』
みたいな感じで。
あれは絶対自分のことをイケメンって思ってるわ。うわぁ。気持ち悪いっ!!!
しかも、絶対に裏があるって。
男子と女子の対応の差が、ありすぎるもん。
ガラっ
あ、先生出てきた。
そして、こっちを向いた。
「あれぇ?君は...森崎さんだよね?どうしたの?」
にこやかに近づいてくる先生。
まてまてまてぇぇぇぇぇ!!
トイレに行った後の手で触るなぁ!
たとえ洗っていたとしても!!
一歩二歩下がると
「...ふふ...そんなに照れないで?何もしないよ...ここでは...」
照れる!?誰がどこでいつ照れた!?
てか、ここではってなに!?
お前に興味ねぇよ!
無言でいると
「ていうか、君は何をしていたの?」
「あ、えっと。...特には?」
「え?何も無いの?ふふ...おかしい子だ☆」
ほらぁぁぁぁぁあ!!このしゃべり方ぁぁぁあ!!
おええええええ!!
これはもう
逃げるしかない!
「あ!」
先生が漏らした声を聞きながら階段を駆け上がった。

