バカの日常



「「おじゃましまーす!!」」


彩葵と二人で声を揃えて家に入ると


「やっぱ。心葉の家って広いよねー」

「このもんって金持ちー!」


ほんとだよ。

「いや、そんなことないし。ていうか早く部屋に行こうー」

「はーい」






部屋に入ると


「女の子だぁ......」


そう。

部屋が女の子なのだ。


いや、厳密に言えば


女の子の部屋なのだ。


あたしの部屋なんて勉強机と棚とベッド。

あとは普通の机があるくらいで

女の子らしいものといえば

ぬいぐるみだけ...。

なのにこの部屋は...!!


ベッドの上にはいちごの枕。

いちごのクッション。


床のカーペットはいちごの形。


机の鉛筆たてはリボンが付いてる。



じょ、女子力の格差...女子力格差社会やぁーー!!!


「はいはい。変な事考えてないではやく座ったら?」

「...はい。」

「今、由樹、なぜ分かった!?とか思ったでしょ」

「...はい。」



いや、ほんとに何でわかるの!?


エスパーか?

エスパーなのか?


「顔に出てるし」

「そっちか!」

「二人ともどうしたの?なんで言い争ってんの?」

「いや、言い争ってるわけじゃ...まぁいいけど。」


心葉がベッドの上に座ったので

あたしも座ることにした。

あ、ベッドにじゃないよ?


床にね床。


「じゃあ、まずは恒例のー?恋バナ♡♡」

「ていうか、この中でリア充は彩葵だけなんだし、彩葵の話を聞かせてよ」

「心葉せいろーん!」


「えぇ。んーまぁいいよー」


それから海?さんとの出会いの話を聞くことになった。


「いいなぁー!!彩葵。私も彼氏欲しい!」

「えへへ...海の事大好きだし、ちょっと俺様なとこも好きなんだぁ」


へぇ

俺様...ねぇ。


「由樹は?好きな人、いないの?」

「まだ、浩哉のこと諦めてないよねー?」

「え?あたし?まぁ、諦めてはないし諦めるつもりもないけどさ。でもまぁ付き合うこともないんじゃないかな?」

「えぇ!!なんで!!彩葵は脈アリだと思うんだけどなぁ」

「私もそう思う」


やっだなぁ。

そんな訳ないでしょー。

「でも、まぁ、いいんだよ!あたしの事は!心葉の話をしよっ!」


と、スマホに入っている例の写真をみせた。


「きゃ!!なにこの写真!?」

「前にあたしと浩哉が水やりの時、ちょっと見かけまして。隠し撮りしてみました。」

「してみましたじゃないでしょ!」


ちなみに宏哉先輩は気づいてたよ?

っていうと顔を真っ赤にして

「えええええ!!もうっ!どうすんの!!」

「とりあえずは気にしないでおけば?」

「彩葵もそうすればいいと思うよー」

「他人事だからって!!」


てへぺろー。