キミ限定




そして放課後。

私、郁、結芽、葵、千紘の5人でボーリングに行って来た私たちは駅前のカフェで休憩していた。



「春も誘えば良かったのに」

「え、い、いいよ。ほらわたしの下手くそなボーリング見ても楽しくないだろうし」

「いやー案外喜ぶと思うけど」




結芽が意地悪そうに郁に微笑む。



確かに、体の小さな郁が一生懸命何かをやる姿って、女の私から見ても可愛く見える時がある。



私も、そんな風な女の子だったら良かった。



普通に年の近い男の子を好きになれれば良かった。



だけど私は、どうしても功が良い。





そんな時、店の外に功に似たシルエットの男性を見つけて思わず駆け出した。



そういえば、この辺りって功の大学の近くだ。



店の外に出るとやっぱりあの横顔は功で、私は声を掛けようと思ったけれど、すぐに止めた。



隣に女の人がいたからだ。功の隣で楽しそうに笑う女の人。



きっと功はあの人に私のことを妹だって弁解してたんだ。



大学生同士並んだ二人の後姿はすごくお似合いに見えて、私は制服のスカートをきゅっと握り締めた。