「ごめん」 「う、ううん。電話の人、友達?」 「そうだよ、この間話した大学の友達。それで約束って何だっけ?」 「え」 「ごめん、何か約束してたっけ」 そっか。約束も、覚えてたの私だけだったんだ。 「ううん、ごめん。何でもないよ」 困った顔をする功に私は何でもなかった顔をして答えた。 良かった。気持ちを伝える前で。 功に私の気持ちを知られてしまわなくて。