期末試験前日の夜。
「すごいな佐季。よく頑張ってる」
「本当?20番以内入れるかな」
「この調子でやれば狙えるんじゃないかな」
「ねぇ、功。約束覚えてくれてる?」
20番以内に入れたら、私の頭またあの時みたいに撫でてくれるって。
そしたら私、功に気持ちぶつけてみようかな。
返事のない功に「功?」問いかけてみる。
すると同じタイミングで功のスマホが鳴った。
「ちょっとごめん」とそのまま私の目の前で電話に出た功。
バカだな、功は。
こんな静かな部屋で電話に出たら、相手の人の声聞こえちゃうじゃん。
女の人からだって、分かっちゃうじゃん。
それとも私なんかに聞かれても、どうって事ないってこと?
「ごめん今バイト中だから。え?うんそう、女の子だよ。違うよ、この子は妹みたいなもんだから」
どうやら私の読みは正しかったみたいだ。
妹と、はっきりそう言われてしまった。
つまり、私は功の恋愛対象外。
