「菅原のことすげー好きなんだけど。俺と付き合って」

「悪いけど私、高校生には興味ないから」






私、菅原佐季は高校2年。



たった今、学年で一番人気だと言われている男子に告白されたけど。




「えー!何で断っちゃったのよー」

「だって私、年の近い男に興味ないし」

「そんな事言ったって相手はあの立川でしょ?!あーもったいない」




もったいない。


それ、私が今一番言いたい言葉だわ。




貴重な昼休みという時間を、よく知りもしない男に呼び出されたおかげで半分近くも無駄に消費してしまった。



トイレを終えて早足で教室に戻る。


机にはやりかけの問題集が開かれたままになっている。



席につくなり私は再びシャープペンシルを走らせた。



「ったく、カテキョの為の予習してんじゃ一体何のためのカテキョだよ」

「うるさい、万年バカ葵」

「なんだと、やんのかこのガリ勉女」

「あら褒め言葉ありがとう」

「褒めてねーよ!」