なによ、なによ!


自分の家に戻ったあたしはクッションを伊緒に見立てて思い切りベッドに叩き付けた。



それでもあたしの気持ちは少しも晴れることはなかった。



あたしはこんなに全身で伊緒への好きをアピールしているのに。



伊緒からの気持ちはこれっぽっちも伝わってこない。



そういえば、伊緒から好きだなんて一度も言われてないや。



傍らに置いてあるスマホを確認してみるけれど、伊緒からのメールや電話の着信は一つも入っていなかった。



いつもそう。

デートに誘うのも、メールを送るのも、一緒に登下校しようって提案したのも、全部あたしからだ。



伊緒の方からは用事がない限りはほとんど、いや全く家に来ることもない。



付き合ってもうすぐ3ヶ月になるけれど、あたしの不安はもう爆発寸前だった。



あたしはヤケになって伊緒にメールを送る。

「明日から一人で行く」











伊緒から返事が来たのはその20分後。

「わかった」と一言、ただそれだけの返事だった。