小さい頃から家が隣で中学までずっと一緒に過ごしてきたあたしと伊緒。
だけど高校からは学校が離れてしまう事が分かって、勇気を出して告白したんだ。
付き合えた時はすっごく嬉しかったんだけど、最近あることに気付いてしまった。
それはあたしと伊緒の好きの量が全然違うってこと。
「なんか薄い」
「何が」
「伊緒はあたしと少しでも一緒にいたいって思わないの?」
「毎日一緒に登下校してる」
「駅までじゃん!短すぎるよ!」
駅までなんか徒歩10分だよ!駅近なんだよこの家は!
駅に着くとまったくの正反対の方向へ向かう電車に乗ってしまうから、あたし達は往復20分の時間しか一緒にいられない。
それなのに、この間の中間で赤点をとってしまったあたしは放課後追試を受けるハメになってしまったのだ。
「だからちゃんと勉強した方が良いって言ったのに」
本から目線はそらさずにポツリと呟く伊緒に頭にきて、あたしは部屋を飛び出した。
「もういいよ、バーカ!伊緒のガリガリもやしっ子!!」
