「俺愛を泣かせる人嫌いだから返さない。」



「その誤解を解きに愛梨に会いに来たんだよ」



「…柊翔くん。」


部屋の奥から愛梨が顔を出した。
俺を見るなり泣きそうな顔をして目を逸らされた。
目は赤く腫れ泣いていたんだなってすぐ分かった。



「愛ちゃんは奥で休んでて?」



「健…柊翔くんを中に入れてあげて…そうじゃないと近所の人に迷惑もかかるし」



それだけ言うと奥の部屋に行ってしまった。
健哉も嫌々俺を部屋の中に案内してくれた。